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根分岐部病変とその治療

管理が著しく困難な根分岐部病変

根分岐部病変とは

根分岐部病変根分岐部病変とは、歯周病が進行して歯槽骨が吸収し、左に示す根分岐部まで組織破壊が達した状態を言います。

根分岐部は、解剖学的に複雑な形態であり、患者さんによるプラークコントロールも、歯科医院での歯石除去も大変困難なため、根分岐部病変の進行度に伴い、その歯の生存率が低下することが報告されており、根分岐部病変の存在は、歯周病の管理を著しく困難にすると言えます。

根分岐部病変の進行度

通常、歯周病の進行度の検査では、プローブを歯周ポケットに縦に挿入してその深さを測りますが、根分岐部病変では、歯の根の股の部分に水平に挿入してどの程度の深さがあるかを測定します。

Ⅰ 度 (初期):根分岐部にプローブ(探針)は入るが、歯の幅の1/3以内
Ⅱ 度 (部分期):根分岐部にプローブ(探針)が1/3以上入るが、貫通はしない
Ⅲ 度 (全体期):根分岐部にプローブ(探針)を入れると、プローブが貫通する

Ⅰ度(軽度)の根分岐部病変を伴う歯周病については、SPT(Supportive Periodontal Therapy)によって経過観察を行いながら対応することができますが、明らかに進行性の歯周病で、Ⅱ度異常の根分岐部病変を伴う歯周炎罹患歯については、早期に、外科的処置を含めた積極的な治療必要となります。

Ⅱ度以上の根分岐部病変の治療法決定フロー

根分岐部病変の治療法決定フロー

Ⅱ度以上の根分岐部病変の治療においては、大きく、歯周組織再生療法か、切除療法を選択します。

 

根分岐部病変の治療例

歯周組織再生療法により治療した例1

48歳女性、左下7番の動揺と軽い咬合痛を訴え、前医より早期の抜歯を勧められたが、ご本人は保存を希望して当院に相談しに来院されました。

年齢の割に歯周病が進行していることを考慮し、積極的治療が必要と判断。患者さんの状況としては、「プラークコントロールが良好」「非喫煙者」「他部位の歯周病進行度が低い」「全身的健康」など、とても良好で、その点では治療が上手くいく可能性は高いと考えました。さらに、歯根の数が2本である下顎の大臼歯(上顎の大臼歯は、歯根が3つに別れていて比較的治療が困難)であること、根分岐部病変の進行が重度ではないこと、歯根同士が近すぎずほどよく離れていて治療しやすいことなど、再生療法を適用するための条件が揃っていたため、歯周組織再生療法によって根分岐部の完全閉鎖を行うことにしました。

術前

左下7番に根分岐部病変が認められます。

根分岐部病変を再生療法で治療した例  根分岐部病変を再生療法で治療した例のレントゲン写真

徹底的にプラーク・歯石の除去を行って、骨移植材とエムドゲインを骨欠損部に充填しました

根分岐部病変を徹底的デブライドメント  根分岐部病変の部位にエムドゲインを充填

術後

骨透過像が改善し、根分岐部病変が改善されたことが分かります。

根分岐部病変を歯周組織再生療法で治療後  根分岐部病変の歯周組織再生療法

歯周組織再生療法により治療した例2

    

左下7番にSRP後も残存する炎症症状が認められました。左下7番は、Ⅱ度の根分岐部病変、深い歯周ポケットが存在したため、再生療法を行いました。

プラーク・歯石を除去した後、深い骨縁下欠損が認められたので(写真左)、エムドゲインと骨補填材を混和し、骨欠損部に充填した後、非吸収性膜で覆い、縫合しました。6週間後、非吸収性膜を取り除いた場所には、幼弱肉芽組織が認められ(写真中央)、骨欠損部を埋めています。

1年後にプローブによる診査を試みたところ、根分岐部は、骨様硬でプロービングをしても出血は認められなく、非常に安定しています。

歯周組織再生療法により治療した例3

    

この方は、歯肉全体に違和感を訴え来院されました。診査の結果、部分的に重度歯周病と診断されました。患者さんの要望は、これからもずっと歯を残したいということでしたので、一緒にかんばりましょうとお約束して治療を始めましたが、根分岐部の治療反応がいまいち(Ⅱ度の根分岐部病変)でしたので歯を保存する再生療法を行いました。 歯肉を切開し、徹底的にデブライドメント(プラーク・歯石の除去)をした後、骨補填材と誘導材を入れて縫合しました。その後、薬剤がご自身の歯肉や骨に変換さるのを待ちました。

6ヶ月後(写真右)、根分岐部は、固く閉鎖されました。ですので患者さんご自身の歯磨きだけでもこの良好な状態を維持することができるでしょう。

今後は、定期的に来院していただき、他の歯の状態も含めて、患者さんとともに見守っていきます。

切除療法(ルートセパレーション)により治療した例

50 歳代、女性。歯ぐきの腫れと違和感を主訴に来院されました。診査の結果、Ⅱ度の根分岐部病変が認められました。X 線写真より、髄床底への穿孔(歯の中の底の部分に穴があいている)が疑われるため、エンド病変由来の根分岐部病変と判断しました。

したがって、再生療法の適応症ではないと判断し、切除療法の適用を考え歯根分割(ルートセパレーション)を選択しました。歯肉縁下に修復物マージンを設定するのを避けるため、セパレーション後は補綴処置に必要な健全歯質確保のための歯冠長延長術を行い、矯正的挺出ならびに歯根間距離の拡大を行いました。現在術後4年経過していますが、安定的に経過しています。

初診:レントゲン画像で赤い丸で示した部分が根分岐部病変です。

根分岐部病変を再生療法で治療した例  根分岐部病変を再生療法で治療した例のレントゲン写真

 

治療後に被せ物をしやすいように歯ぐきのラインを下げるとともに、歯を二つに分割。その後矯正によっ二つの距離を広げました。

根分岐部病変を再生療法で治療した例  根分岐部病変を再生療法で治療した例のレントゲン写真

 

術後:被せ物をして二つを連結固定、治療が終了しました。

根分岐部病変を再生療法で治療した例  根分岐部病変を再生療法で治療した例のレントゲン写真